約束とは守る為にあるのだ!と誰かが言っていた

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さて、今の状況を説明すると… わたしが明日から夏休みという事もあって、いつもより早く授業を終えた生徒達がきゃあきゃあと帰る中、ルンルン気分で更に鼻歌を歌いながら華麗なスキップまで披露しつつ、校門を出ようとした正にその時 「かぁぁああありぃいいいいいんっ!!」 というけたたましい足音と自分を呼ぶ凄まじい大声が行き交う生徒達の中、わたしの後方から聞こえてきた。 わたしは嫌な予感を隠せず、スキップを中断し猛ダッシュで家へと続く坂を駆け下りようとした時だった… 「な…んでっ…」 わたしの踏み出した足の下にいつの間にか透明な下敷が置かれていた。 気付いた時にはもう遅く、下敷に因って滑ったわたしはドガッと音を立て尻餅をついてしまった。 「痛たたたぁー…」 『花梨ちゃん、大丈夫??』 「うん、だいじょーっ…」 大丈夫と言い掛けて、背後に気配を感じ唾をゴクリと飲み込んだ。 「花梨ちゃーん…やっと捕まえたぁ…」
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