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ジリリリリ……
部屋に目覚ましの音が鳴り響く。
うるさい……。
「…ぅぅん……、えい…!」
俺は目覚ましに向かって枕を投げつけた。
うまく命中したかどうかは知らないが音が消えた。
これでいい。
まだ寝足りないし……
「……」
いや、良くないぞ……
今何時だ?
俺の記憶が正しければ今日は火曜日。学校に行かなければ。
「…くそぅ……。めんどくせぇ……」
俺は眠気のせいで重く、ダルくなった体を起こした。
部屋のカーテンからは微かに日差しが差し込んでいる。
少女マンガではよくそこのカーテンを勢いよく開けて「うーん。今日もいい天気!」なんて言うんだろうが、俺は決してそんなことはしない。
俺はベッドからノロノロと抜け出し、床に落ちていた目覚ましを拾った。
電池が外れていた。そりゃ音も止まるはずだよな。
目覚ましは動かなくはなっているが7時半を指していた。
「7時半か……。そろそろ起きないとな……」
俺は学校の制服に素早く着替え、携帯を持って一階にあるリビングに向かった。
ちなみに俺の部屋は二階の一番奥にある。
リビングに入ると台所に母さんが、食卓に杏(アン)がいた。
杏は俺の妹だ。
「あら、拓哉。起きたの?おはよう」
「あぁ。おはよう……」
母さんは足音でわかったのかリビングに入るなり俺に話し掛けた。
正直、眠いからあまり話したくない……。
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