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『人間』を『人外』に変える病。
化け物になり、やがて最期は石となる病。
あれが流行りだしたのは、いつからだっただろう。
少女がその病を治す力を得たのは、いつからだっただろう。
……少女が力を失ったのは、いつだったのだろう。
大陸中に広まった救世主の噂は、止まる事を知らない。
少女を訪れる魔物は増え続け、彼女の心は悲しみに染まり続けた。
『貴女は何も悪くない』
『お前は悪くなんか……』
彼らの最期の言葉。
救いたいのに救えない命。
悲しみは降り止む事のない雪のように、いつまでも森を覆っていた。
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