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暗い暗い森の奥。
不気味な池の、少し先。
小さな小屋と、この世の物ではないような、薄気味悪い魔物たちの石像が立ち並ぶ奇妙な場所があった。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
そんな石像たちを見つめ、謝り続ける一人の少女。
涙は既に枯れ果て、嗚咽混じりの声だけが虚しく響いている。
「……セフィリア、誰もお前を恨んじゃいないさ」
ぽふん、と彼女の頭に乗った大きな手。
「…………」
謝るのを止め、黙り込んでしまった彼女の頭を大きな手が少し乱暴に撫でた。
「お前は何も……」
声が、止まった。
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