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  耳障りな電子音。 白い部屋に、白い服着たお医者さんに、仕事のスーツ着たお父さん。 白いベッドの上で、少しずつ白くなるお母さん。 白くなっていくお母さんの手を握って、放さない四歳年下の弟。 「あっちゃん……よぅちゃんを守ってあげてね……。」 虚ろな目をこちらに向けて弱々しい声を出すお母さん。 「よぅちゃんは……あっちゃんの言うこと…を、ちゃんと聞くのよ…。」 そう言いながら、ゆっくりと目を閉じる。 「お母さん!」 弟が叫ぶ。 それを最後に… 電子音の途切れがなくなった。  
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