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  「うわあぁぁぁぁぁ!お母さんっっ!」 泣き叫んでるのは弟。 お父さんは力なく病院の椅子に座り、小さな嗚咽を漏らして静かに泣いている。 弟が握っていた手が、するりとベッドに落ちた。 だらりとした白い手を見て、俺は初めて涙を流す。 『ぉ……かぁ…さ…。』 俺の口から、無意識に溢れた。 「僕を置いてかないでえぇぇぇぇ!」 弟の声にハッとする。 お母さんが言っていた。 "守ってあげてね…"  
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