6人が本棚に入れています
本棚に追加
館の若い門番に「ケスラー伯爵殿はご在宅か?」と訪ねると、門番に「貴殿は?」と問われ、「古い知り合い」と答えると、「お前のような若僧と古い知り合いとは合点がいかぬ。どんな知り合いだ?」と随分怪しまれたが、「 言うなれば、剣の弟子かな! とにかく取り次いで欲しい」と言うと、怪しみながらも奥へ取り次いでくれた。
奥から古参の家臣が現れ、ガルディスの顔を見た瞬間「はっ!」とし、また感極まりながらも片膝をつき、「無事のご帰還何よりでございます」と頭を下げた。
隣では訳も解らず「きょとん」としていた若い門番に、「何をしている。ガルディス王子様であるぞ!」 との言葉にびっくりして片膝をつき礼をする門番。
そんな門番を叱る古参の家臣にガルディスは言う、「顔も知らぬのだから無理もない。そうキツく言うな」と。古参の家臣は「はっ…。では、お館さまのところへご案内します」と館の中へ入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!