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「まぁ折角来て頂いたので…一週間様子を見ましょうか?」
いたたまれなくなり羚耶はやっと口火をきり研修期間を設けた。
紗羽と名乗る青年と猫はにっこりとしてホッと胸をなで下ろしていた。
「良かったなり…ご主人様宜しくお願いしますにゃ」
猫之助と名乗る猫はすくっと立ち上がり器用にポシェットからエプロンを出すと着始めた。
紗羽も立ち上がり同じ様に立ち上がり荷物からエプロンを出し着始めた。
「あっあの…もう開始ですか?」
羚耶はびっくりし2人につられて立ち上がっていた。
「ご主人様は座っていて下さいにゃ♪」
「そうですよゆっくりのんびりしていて下さい」
1人と一匹はお台所はどちらですか?と尋ねる傍ら雑巾とバケツをお借りしますと声がハモった。
どうやら片方はお茶のご用意を…もう片方は廊下の床掃除を始めるらしいι
まてまて…猫に茶を煎れさせるのも掃除をさせるのも無理が無いかと途中気がついて部屋を抜け出し、先ずは台所を覗いてみた。
こちらには紗羽が立ちやかんに火を掛けて換気扇が回っている。
「えっとお茶っ葉の場所はその棚の戸の裏側です。茶器は下の戸棚に入ってます。湯呑みはそのブルーのです」
「ありがとうございます。これで覚えました」
笑顔の紗羽に一瞬ドキッとして次に廊下へ向かった。
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