5人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下へ出ると何かが足の間を走り抜けた感覚があり、その方向を見ると猫之助が雑巾に両手を着いて廊下を掃除していた。
とても生き生きしている。まるで掃除をするために生まれた猫のようにスムーズにちゃっちゃとこなしていった。
「ご主人様vV廊下綺麗になりましたにゃ…後はカラ拭きしてピカピカなり」
猫之助は器用に雑巾をバケツの水で絞りカラ拭き用の雑巾でキュキュッと磨いていく。
何とも複雑な心境でその様子を見ていた羚耶は、暫く様子を見ていたが、一先ず部屋へ戻る事にした。
「家政婦猫…ぁっ違ったι猫が本当に掃除をしてるなんて」
眼鏡を外して…部屋の畳に座ると既に紗羽がお茶を持って現れた。
湯気から茶っ葉独特の香りが漂い現実の世界に引き戻された。
「ご主人様…お茶お持ちいたしました」
湯呑みをコトッと机に置くとにっこりと微笑んだ。
「あっありがとう…猫之助君は終わったかな?」
「彼はあれで器用で早いんです。さっき見たら床がピカピカでしたよ…今はバケツと雑巾を片付けていますよ」
「本当に働く猫って居たんですねιいやはやびっくりです」
羚耶は素直な感想を言うとタイミング良く部屋に猫之助が入ってきた。
「ご主人様…お掃除終わりましたにゃ」
猫之助は元気に笑顔で言った。
最初のコメントを投稿しよう!