決断の刻

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その狐は藍が見ても解る妖怪であった。 九尾の狐。動物の妖怪としては上位の力を持っている妖怪であった。 向こうも藍が妖怪であること。さらには今の状況にも気が付いたようで藍に憑依を勧めてくる。 憑依。それはその妖怪を取り入れ自分の中で飼うことで力を得る事ではあるが憑依する側の方が霊力が高ければ操りきれず結果人を襲う存在に成り下がり人に狩られるのである。 しかし今の藍には迷っている時間は無かった。九尾を憑依させた藍は尻尾が生え耳もふさふさになった。 代わりに狐のごとき速さを得て逃げ出した。
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