彷徨(さまよ)える狼

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新・政府が日本を制圧した後、日本中の治安は更に悪くなっていったが、学校には一校に一人、黄泉の精鋭が一人ずつ送り込まれていた。 その精鋭のおかげで日本の治安は辛うじて保たれていた。 亮佑には目的地が無く、長野県を訪れた後、宛もなく日本中を旅する事にした。 國丞高校の生き残りである生徒会の嘉浦達の消息は不明で、亮佑にも生死を確認する事もできない。 亮佑の旅は探し物を探す旅でありながら、仲間を探す旅でもあった。 亮佑に唯一残された仲間は咲子のみ。 亮佑は咲子を危険な目に合わさないためにも、咲子とは別行動を取り、咲子は瀧澤達に預けて亮佑は敵だらけの日本へとやってきていた。 亮佑にとって咲子は唯一残された仲間。 どんなに自分を犠牲にしても、咲子だけは守りたい。 國丞の一件は、亮佑を過保護にしたかもしれない。 亮佑には宛は無かったが、何かに導かれるように日本中を旅していった。 そして、亮佑は広島県にやって来ていた。 (ここには嘉浦さん達いるかな…? ここには……"あれ"は無いだろうな…) 亮佑がふと横を見るとそこには壁。 そして、壁に貼られた一枚の紙。 (手配書……か?) 壁に貼られた紙には、亮佑の顔が書かれていた。 故に亮佑はフードを被り、顔を隠して歩いていた。 (俺も有名になったもんだ…。だが手配書にビビっていては人一人助ける事はできないな…) 亮佑は広島県の中央にある新・政府の施設へとやって来た。
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