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パシーン
そんな音とともに頬に確かな痛み。
「あっ」
「あっ」
洋一は冷静さを取り戻した。
「ゴメン、叩いちゃって…私どうかしてる…。」
ひよのが謝ったが叩く理由はかなり明確だ。
いきなりのキス
もしくは
冷静さをなくした洋一
だ。
ようするにいきなりのキスからくる怒りか、洋一を冷静にさせる為だ。
しかし、謝り方から考えてまず前者で間違いなさそうだ。
しかし、それで洋一が冷静さを取り戻したのは事実。
「いえ、明らかにこちらに非があるんです。私こそすみませんでした。
このような失態をしてしまった今、貴女の傍には…ん…」
再び唇と唇が触れ合った。
「なによ!人のファーストキス勝手に奪っときながら、‘貴女の傍には居られません’とか言って私を捨てるの?ふざけないで!私は…………」
最後がよく聞き取れなかった。
「ワンモア…プリズ」
珍しく片言の英語で彼は言った。
既にギャラリーは居ない。
「あぁチャイムなるからアデュー」
此処でチャイムとは登校完了時間になるチャイムである。
即ちこのチャイムがなる際に教室に居なければ遅刻となる。
余談になるが洋一とひよのはクラスが一緒になったことは未だにない。
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