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「幼い子が迷子になって泣いてました。その時一人の少女が現れて言いました。‘大丈夫一人じゃない。私が傍に居てあげる。だから笑って。’
その子は聞きました。
‘なんで?’と少女は答えました。‘ほら私も迷子だから…気にしないで私よく迷うから。’何がほらなのかさっぱりわからなかったみたいです。けどその子はよく迷子になると言う事実を隠すでもなくどこか自慢げに言う少女に妙な安心感を得たらしく笑いました。それからその子は少女に会うために迷子になるそうです。そして、その少女の名前は‘ナルミ ヒヨノ’と言うそうです。」
「それと君が私を好きな理由とどう関係が…」
「まだ解らないとおっしゃるのですか?いいでしょう最大のヒントを差し上げます。その子は‘ヨウくん’と呼ばれていました。」
ヨウくん…迷子…ヨウ…
記憶の奥底に沈めた不思議な記憶が今引きずり出された。
「あの時の迷子…君だったの?」
「えぇ…あの時芽生えたほんわり甘い想いはいつしか大きなものになりました。どんな演技をもってしても隠し通せない程に…。
貴女は間違いなく私の初恋の相手です。そして、真実を曲げてでも手に入れたい意中の方です。」
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