第二章

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「嫌だ❗❗」とまた全力で拒否をする少女。 と、ふらふらと少女がよろける。 慌てて卓也が支える。 少女が卓也のYシャツをギュウと握る。 卓也は少女の顔を見る。 まだ、あどけなさがぬけはじめた大人になろうとしている顔。 卓也の胸に少女が擦り寄る。 頭に手を優しく撫でてあげる。 「真哉さん……。」少女が呟く。 【彼氏かな[?][?]】と思った卓也の心がズキリと痛んだ。 「真哉さん……。」するとハラハラと涙が少女の瞳から流れ卓也のシャツを濡らす。 考えてみると大雨の日に傘もささずに車の前に飛び出して……。 何かに縋(すがる)るように卓也に「連れてって❗」と言った言葉を思い出し……。 出来るだけの事はしてあげよう……。 そぅ思い少女を持ち上げベットに連れてゆき寝かす。 横になったとたんクルッと丸まる。 『猫だ……。』そう呟くと少女がニャーと鳴いた。
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