第一章

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ピタリと車が止まった。 ほっと肩を落とす卓也。 後部座席から傘を取りだし車から出る。 飛び出して来た人に近づく。何か文句を言ってやろうとした時……。 くるりとその人が卓也を見た。 目が合った瞬間言葉を失った。 真ん丸でぱっちりとした目長いまつ毛に縁取られ猫のよう。 肌は抜けるぐらい白い。 そして華奢な体つきではないが女性特有のラインをした体。 【え❗女の子……。】と思った瞬間。 目の前の少女が大きな瞳からポロポロと涙を出し泣き初めてしまった。 卓也が慌ててかけより「大丈夫ですか[?][?]」と言うと………。 ガバリと少女に抱き着かれた。 「え[?]え[?][?]」と混乱していると……。 「連れてって。」と少女が言った。 「え[?]何[?][?]」と聞き返すと……。 「わっちをお兄さんの所に連れてって❗❗」と少女が言った。 「ちょっと困りますよ💦💦」と慌てて言うと……。 「駄目なの[?][?]」と少女が懇願する。 と対向車が来ていつまでも道の真ん中に車を止めておけなくなって来た。 「とっ取りあえず車に乗って💦💦後で警察に行こうね。」と言うと少女は大人しく従った。 卓也は混乱していたが、取りあえず家に帰り少女にタオルを渡してあげなければと思った。 それがそもそも謝った判断だった事に気が付けなかったのは卓也の責任である。
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