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薄暗い方を見て思った。
「誰かいる…」
何か気配のようなものを感じていた沙希は、知らず知らずのうちに歩みを進めていた。
ちなみに薄暗かった原因は電灯がついていなかったことと、そこに窓がなかったからだ。
廊下のあちこちには医療器具らしきものが散らばっており、それを運ぶ銀色のカートも横倒しの状態。
進むうちに沙希がついたのは自販機の並ぶ、薄暗い休憩室だった。
ここもあちこちに医療器具や、まだ中身の入った紙パックジュースが散らばっている。
ジュースを一つ拾い上げ、パックの口を破いた沙希。先ほどから喉が渇いていたのが、飲み物が散らばっているのを見てさらに渇きを強くさせていた。
早速口に含んでみたが、その場で吐き出してしまった。
「ぶっ!?何これ!すっぱ!?」
沙希が飲んだのはミルクティーだったが、口の中で強い酸味を感じたところから恐らくすでに腐っていたらしい。
「どんだけ放置されて…」
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