未知の領域

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俺の妹、永沢巴は現在、櫻ヶ丘高校に通っている。 一応、県立の女子高だからカトリックでもないし、お嬢様学校でもない。 制服は上は紺のセーラージャケット、下は同色のスカート。 夏場は白のセーラーブラウスで、リボンは赤。 …のようだな、うん。 巴に聞いた。 しかし、周りが全員女子っていう環境は… 正直、初。 「おはようございます、永沢先輩!」 朝、校門をくぐると同時に後ろから声をかけてきた子は… …知ってる。 「おはよう、香澄ちゃん」 中学の時から巴の後ろに、ぺたっとくっついて歩いてる娘だから。 見たことは数回。 そして… 今のところ「もしかしたらばれるかもしれない危険性」があるのは唯一この子、といったところだろう。 もちろん、俺がボロを出さなければ、誰にもバレないんだろうけど。 バレるっていうか、頭おかしくなったんじゃね? …程度で済むんじゃねぇかって巴にいったら、ぐーで殴られそうになったけど。 勘弁してほしい。 自分の体の癖に。 俺のコブシで殴ったらすげぇ痛いと思うぞ。 進んで痛い思いはしたくない。
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