誰か夢だと言ってくれ

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「…んー、…朝か………?」 朝、いつものように鳴り響く目覚まし時計を止めようとして手を伸ばした俺、こと永沢拓也は、それにどうしても手が届かないことに違和感を覚えた。 鳴ってる音は一緒なのに。 …いつもはこうやって手を伸ばしたら届いて…   ……。 「は!?」 少しの間のあと、一瞬にして覚醒した俺は、がばっと起き上がった。 「…っ」 ここっ………俺の部屋だよな!? なんで、なんで手が届かないんだ!?しかもなんかベッド大きくないか?  がぁん、と頭を鈍器で殴られた感覚に陥り目を見開く。 立ち上がればそこはちゃんと自分の部屋なのに。 なのに…なんでだろ、まるで俺が縮んでしまったみたいに辺りの視界が…いつもと違う。   「たくやっ、拓也兄ちゃんっ!!!」 そのとき、どんどんどん、とドアを激しくたたく音が聞こえた。 ベッドの上で仁王立ちになって立ち尽くしてる俺は、更にショックを受けた。 …今の、声…っ、…低くて、…男の…!?     「ともえ…っ!?」   そして叫んだ俺の声は… …女の…声。 明らかに。
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