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制服に着替えた俺と巴は、とりあえず朝飯を黙々と食べ終えてから、母さんが椅子に座ったところで本題に入った。
「母さん」
そういったのは俺。
「…何?」
不思議そうに俺を見た母さんの顔は、何処かやっぱり怪訝そうで。なんとなく違和感を感じてるみたいだった。
「…俺、…拓也なんだけど」
巴の声で、そういうのもヘンかもしれないけど…
「私が巴。お母さん、どうしよう」
困った声でそう、泣きそうになりながら母さんに訴えた巴の声はやっぱり俺の声で。
母さんは、目を大きく見開いたまま、動かなくなってしまった。
…やっぱり、驚くよなぁ。
俺だって、冷静そうにみえてやっぱりすげぇ動揺してるし。
黙ってしまった母さん。
俺も巴も不安だった。
普通だったら何いってんのとか言われてもおかしくないし。
でも…
「…、冗談じゃないのね?」
母さんは信じてくれた。
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