誰か夢だと言ってくれ

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俺は母さんに昨日の夜の出来事を話した。 階段からおちた俺と巴は眠くてしょうがなくて、すぐに寝たってそれだけだから、心当たりなんて「階段から落ちた」ことだけで。 頭強くぶつけたとかそういうのはもちろんあったけど。 だけどそれ以上の心当たりなんてなくて。 母さんは、真剣に聞いてくれた。 「…同じ高校に入れておけばよかったって今思ったんだけど、私」 少し黙ってからそういった母さん。 「そういう問題?」 思わず俺、突っ込んだけど。 でもちょっと思った。 俺は共学とはいえ、工業系の公立校に進学して、うちのクラスには女子が一人しかいない。同じ学年内にも四クラス内で26人しかいないんだ。男子は130人もいるのにな。 そして巴はよりによって… 「…巴、女子高だからね…、大丈夫?いける?…しばらく二人とも休む…?」 心配そうに、俺を見る母さん。 …なんか、ものすげぇ今泣きそうになったんだけど、俺。 感動して。 母さんってこんないい母さんだったんだな!って今頃思った。 昔っから大事にはされてるって思ってはいたけど、こう、ちょっと手荒だから。 巴もそっくりになってきたけど、気性荒いとこあるし。だけどポジティブで優しい。 父さんとは、俺たちが小さい時に別れたらしいけど詳しいことは教えてもらってない。 …なんてそんなことは良いんだ。 「…病院とかいっても、たぶん、ろくなこといわれないよなぁ」 深いため息が俺の口からまた、出た。 信じてもらえるわけがない。
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