【始まりの時】

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――――― 学校に着いた。 通学中特に変わったことは無かったので、過程は省略。 強いて言うなら、朝からイチャついてた大学生カップルにロデオドライブをかましてしまう失態を侵したが、もう過去のことだ。気にしてはいない。 みんなもそーゆー経験あるよね? ……しかし何だ。殺風景な校舎だな。もっと西蓮寺っぽく頼むぜ。……とりあえず職員室でも目指すか。どこにあるのか全く検討が付かないが、安心しろ。オレの感は無駄に鋭い。適当に歩けば着くはずだ。 「……失礼しまーす。」 ……通行人Aに道を聞きようやく辿り着けた職員室の扉を開ける。……やるな西蓮寺高校。新宿駅を攻略本無しに制覇したこのオレをなし崩すとは…… 焦燥感に駆られながらも懸命に職員室に足を進めたオレに気付き、一人の男性がこちらに近付いて来た。 「おー、おー。転校生か!そーだそーだ、今日だったな君が来るの!いやー、忘れてた!悪い悪い!良くここまで来れたな!」 ……爽やか……というより豪快な先生だな。とりあえずこの人の中でオレ=忘却の彼方なことは理解した。 「……えっと、校内にいた学生さんに場所聞いたんで、なんとか。」 「そーかそーか!良かった良かった!僕はお前の担任の佐藤だ!ヨロシクな!うん!」 「よろしくお願いします、佐藤先生。」 「おう!あー、名前は……」 「不動幸人です。」 「おぉ!そーだった、そーだった!いや、忘れてたワケじゃないぞ?」 ……まぁいい。オレ=忘却の彼方=空気さ。 ……しかし若いなこの人。見た感じ教育実習生に見えなくもない。まぁクラスの担任受け持ってるんだから正式な先生なんだろうが。 「よし!じゃ、さっそく行くか!クラスは、2-4だ!」 「あ、はい……」 「なんだなんだ?元気ないじゃないか?転校生なんだから、元気一杯のほうが早く友達も出来るぞ!ほらっ!行くぞ!」 ……担当課目は体育かな?まぁ先生が元気なのは良いことだ。
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