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……移動中、前はどこの学校にいたんだとか、今どこに住んでるとか当たり障りない会話をした。こういう話をすると、先生ってのはどこの学校の人も"先生"なんだなという味気ない気持ちになった。
―――教室の前に来た。
ふぅ……初めてクラスに入るってのは緊張するな。おそらく、ヨ〇様が初めて日本に来日した時ぐらい緊張している。
いや、ヨ〇様が緊張したか知らないが。
そんなオレの気も知らず、ガラガラと音をたて、教室の扉を開ける佐藤先生。教室に入るなり、パンパンっ、と手を叩いて生徒の注目を集めた。
「おーい!みんな注目!転校生を紹介する!入れ、不動!」
……そのまま教室に入るオレ。……雑な紹介だな。もう少し上手い具合に入って行きやすい環境を作れないものだろうか?
オレ結構人見知りするんだけどな……
いきなりの転校生ということもあり、皆が期待に胸膨らませているのが嫌でも伝わってくる。……こんなロン毛野郎でごめんなさい。
「えーと……初めまして。不動幸人です。これからよろしくお願いします。」
「……おい、不動。それだけか?先生もオマエのこと知りたいし、他になんか言うことないのか?」
「……そうですね……趣味はギターとか」
「スイマセン!遅れました!」
……オレ、趣味はギターです。あんま弾けないけど。
オレは、自分の言葉を遮った声の主を見た。スラッとした足。それなりに女性らしく成長したあれ。そして………ピンクの髪。
「あ……不動幸人…なんで、ここに……?」
……なにやら相当急いで来たらしく、乱れた服や髪を直さぬまま、閖本由美奈はそう言った―――
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