一話 え?喋る猫?

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「ねぇ優斗君」 「はい」 「優斗君は就職しないの?」 痛いところを突かれる俺。 なんといってももう二十歳。別に学校へ通っているわけではないし、コンビニバイト以外に何もしてない。 なおかつ一人暮らしでボロアパートの生活を続けていた。 でっかい夢をぶら下げて飛び出してきた都会。 想像以上におもしろくない、冷たい場所だった。 「まだわかんないっすね。しばらくはあそこでバイトする予定ですが…。静流さんはどうなんですか?」 「え?私?そうだね、私はもう少ししたら辞める予定」 (ガーン) 「ほ、ホントですか!?どうして?」 「学生だもん。就活ってやつだよ」 さよなら俺のコンビニ生活。 「こっから出てくって事ですか?」 「そうだね、多分」 その笑顔はどこか物悲しそうであった。 コンビニから数分間二人で歩き続けて分岐点へと到着する。 「ここでお別れだね」
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