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「お父さん、お母さん…いってきます」
黒い艶やかな髪を腰まで伸ばした女の子が仏壇に置いてある写真に微笑みながら、手を合わせていた。
手を合わせ終わるとスッとその場を離れ、家を出て行く。
桜の花が美しく咲き乱れ、微かに散りゆく道を幸せそうに見ながら歩いていく。
「桜は好きだな…」
そう呟きフッと笑うと、綺麗な髪を風になびかせながら煌帝学園とかかれた校門をはいっていった。
「…なんで誰もいない?」
今日はこの高校の入学式のため人がいないはずはないのだが…
フッと時計に目をやった。
「しまった。早すぎた…」
仕方ないと言うようにハァと溜め息を吐くと、大きな桜の木を見つけその場所まで歩いて行った。
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