恋奈 と いう 少女

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   九月、雨が降りそうで降らない、どんよりとした天気の朝。 「お母さん、いってきます」  天宮 恋奈(アマミヤ レンナ)は、玄関に立ってそう言うと扉を開けた。  そして、地まで沈むかのような深い溜め息を吐くと、心の中で呟いた。  あぁ、また、学校という名の監獄に行かなければならないのか と。
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