心の声

2/2
前へ
/10ページ
次へ
彼女と目が合う   ヤバイと思いながらも   その目を見たまま また噴出しそうになる   おもわず俯く彼女   頭がゴツンと当たった   堪えようとする度に ヤマビコの様に聞こえてくる   「やっちまったなぁ~」  「やっちまったなぁ~」   「やっちまったなぁ~」   電車が揺れ カエル状態の俺に彼女が抱かれる様に もたれかかって来る   俺はひたすら耐えた まな板の上の鯉状態の俺は   別の意味でも耐えた   彼女が気まずそうに顔を上げてくる   そうだ深呼吸だ! 冷静に対処しろ!   心の声が呟く   のら、君なら大丈夫だろ?  このくらいの壺に耐えられない訳がないだろ?   更に心の声はエスカレート   さあ、お前の力を見せてくれ~   い~ょ~!   ………   彼女が顔を上げ 俺を見た   ぶっ!   どうしても耐えられずに 俺は彼女の顔に噴いた   あっ!   ………   お互い体が動かせないから   彼女も呆然としたまま 俺を見つめた   俺は小声で詫びた す、すいま… 「やっちまったなぁ~」   ぷぷっ ………   最悪    
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

280人が本棚に入れています
本棚に追加