三、遭遇

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「…進路変更、10時方向へ、下げ舵15」   中本 (血迷ったか⁉)「司令、戦力差は明らかですぞ‼」     すると木村は落ち着き払った顔で「まあ、みておれ」といい、各艦へ旗信号により《単縦陣大小(単縦陣で大型艦を先頭に後ろへ行く程小型艦)》を伝えと信号長に命じた。       ―――敵・ロクエン大帝国第八侵攻隊第42先行警戒隊第三戦隊――   「レーダーに敵艦とおぼしき反応‼」 「戦闘準備‼打ち方用意‼」   「開戦前だが位置を知られとしまった以上、仕方あるまい…我々の恐ろしさ、思い知らせてやる」       ―――――第36警戒隊―――――   「木村より全艦に通達‼これより我が隊は先陣を切り敵艦隊に攻撃する。しかし命令あるまで発砲は禁ず。砲雷撃戦用意」   副長中本は反論した。  「もう一度申し上げますが戦力差は明らかです❗ここは退きましょう‼」   木村は冷静にかえした 「敵サンの予想速力はこちらより上だ、だからちょこっと砲火を交えるだけさ」    中本は〈どうなっても知らねぇぞ〉と思いながら「わかりました」と言った。
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