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祝福すべき命の誕生、その喜びは瞬く間に、遥かな昔より伝えられる禍への恐怖へと、変わっていきました。
王様も王妃様も、当然素直に喜ぶことは出来ず…どうしたものかと頭を抱えていました。
禍を危惧した貴族達からは、「どちらか一方の王子を殺すべきだ」との声が出始め…王様は困り果てていました。
例え本当に禍をもたらすとしても…王様と王妃様にとっては、どちらもこの上なく愛しい我が子、そう簡単に殺める事など出来ようはずがありません。
王様は悩みましたが、ある言い伝えを思い出し、それを実行することにしました。
この国には古くから伝わる伝承がありました。
それは…
先に生まれた王子は城におき、
後に生まれた王子は神殿に預け、
離ればなれにしてしまう事でした。
ですがそれは、後に哀しい悲劇を、巻き起こす事になるのです…
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