ー地獄行きの赤い切符ー

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「…これ…、対の指輪…、この世で誰にも作る事が出来ない…。 …石も…どこにも存在しない唯一のもの…。 ……付けてみればいい…、…その指輪…人、選ぶ…。」 よく意味は解らなかったが、ちゃんと対の指輪だと云う事は判った。 早速、お互いの左手の薬指にはめあった。 すると、指に“吸い憑く”ような不思議な感覚を覚えた。そして、一瞬妖しく光った気がした-。 「…!? ……お前達…、指輪に選ばれた…。」 何事にも動じそうにない店主が少しビックリしたように言った。 「ははっ…、何かよく解らないけど、そうなの? まぁいいや、いくら?」 「…要らない…。 選ばれたのだからお前達の物…。 …ずっと着けていればその内に解る…、…その指輪が対になった意味が…。…例え…どんなに離れても引き合うだろう…。」 「「へぇ~…。」」 2人は指輪を見ながら声を合わせた。 そして、顔を見合わせ微笑んだ。 「でも、やっぱり…」 『タダなんて申し訳ない。いくらか貰ってよ。』 そう言おうと振り向いた時、その露店はなくなっていた…。  
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