1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…これ…、対の指輪…、この世で誰にも作る事が出来ない…。
…石も…どこにも存在しない唯一のもの…。
……付けてみればいい…、…その指輪…人、選ぶ…。」
よく意味は解らなかったが、ちゃんと対の指輪だと云う事は判った。
早速、お互いの左手の薬指にはめあった。
すると、指に“吸い憑く”ような不思議な感覚を覚えた。そして、一瞬妖しく光った気がした-。
「…!?
……お前達…、指輪に選ばれた…。」
何事にも動じそうにない店主が少しビックリしたように言った。
「ははっ…、何かよく解らないけど、そうなの?
まぁいいや、いくら?」
「…要らない…。
選ばれたのだからお前達の物…。
…ずっと着けていればその内に解る…、…その指輪が対になった意味が…。…例え…どんなに離れても引き合うだろう…。」
「「へぇ~…。」」
2人は指輪を見ながら声を合わせた。
そして、顔を見合わせ微笑んだ。
「でも、やっぱり…」
『タダなんて申し訳ない。いくらか貰ってよ。』
そう言おうと振り向いた時、その露店はなくなっていた…。
最初のコメントを投稿しよう!