ー地獄行きの赤い切符ー

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「あ…。」 私も雄輔も一瞬開いた口が塞がらなかった…。それもそうだ、さっきまで目の前にあった露店が跡形もなく消えているのだから…。 何度辺りを見回してもやっぱりいない…。 「…居なくなっちゃったね…。 …まぁいっか、よく判んないけど、婚約祝にくれたんだって思おうよ。」 「瑞希…、順応早過ぎない?」 「だぁって~、いないものは仕方ないじゃん。」 「まぁ…、そうなんだけどな。 じゃあ、帰るとするか。」 2人は幸せそうな笑顔で公園を後にしたー。 だが、その様子を店主は物陰から見ていた…。 「フフフ…やっと現れた…。 指輪に選ばれし者。これからお前達には数々の試練が訪れるだろう…。 その試練を乗り越える度、お前達の絆は強くなり何者も断ち切る事は出来なくなるだろう…。 また会う日を楽しみにしてるぞ…。」 そう呟くと店主の姿は辺りの景色に溶け込むように消えて行った…。 そして、隣街の空は未だ赤く染まっていたー。  
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