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「どうしたんだよ!何があった!?」
温厚な筈の雄輔から激しい口調が飛び出す。
「雄輔……、帰ったのか…」
「雄ちゃん…何でもないのよ…。
あら、瑞希ちゃん♪お帰り♪………」
父親はそう言うと目が合わせられないと言った風で、また顔を逸らした。
母親は涙を拭きながら立ち上がり、気丈を装った振る舞いを見せた。
「まぁ、ここで話をするのも何だし、家に入らないか?瑞希ちゃんも上がってくんだろう?」
「え?でも…私が居たら話の邪魔になるんじゃ…?」
「何言ってんだよ!もう少しで嫁に来て、瑞希の実家になるんだし、邪魔な事あるかよ。それにその事もちゃんと話さねーと」
雄輔が言った瞬間、私は雄輔の父と母の表情が固まったのを見てしまった…。
「あ…、今日は帰るよ。私が居ない方が話し易い話かもしれないし、
「でも…」
それに!
私、まだ余韻に浸りたいの♪」
雄輔の言葉を遮って私は帰る理由を無理矢理でっち上げた。
「そうだな、今日はその方がいいだろう。」
と、父親に言われそそくさと家に帰った。
(雄輔パパとママ…私がお嫁に来るの反対なのかなぁ…)
涙が出た。
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