ー眠れぬ夜ー ~瑞希~

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「ただいま~」 私は少し出てしまった涙を拭いながら玄関に入った。 すると、いつも変わらぬ声が私を迎えた。 「「おかえりー」」 母の美恵と妹の雅(みやび)だ。 母は台所で夕食を、妹は居間で買ってもらったばかりの携帯をいじっていた。 「お姉、今日はお姉の好きなハンバーグだよ♪」 「そう…、で?」 「え?」 「今日は何が目的なの? 雅が『お姉』って言う時は何かお願い事があるンでしょ?」 「えへ♪バレてた?流石はお姉♪ 今度の日曜日デートなの♪ だから服貸して♪ ついでに…」 「「髪のセットとアクセサリーも!」」 雅はびっくりした顔で… 「… 何でわかンの?」 「何年あんたの姉をしてると思う? って言うかデートって誰と?」 「へへ♪今日好きな人から告白されたの♪ 両想いだったなんてすごいよね~♪ お姉もこんな気持ちだったンだね~♪」 「もう、雅ったら///」 少し赤くなって、人差し指で雅のおでこをつついた。  
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