ー地獄行きの赤い切符ー

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「ねぇ…、あれ見て。」 私は雄輔の背中におぶさりながら、山向こうを指差す。 「あぁ…空襲みたいだな…。まだここは平気みたいだけどいつ攻撃されるかわかんないな。」 「私…、怖いよ…。」 しがみついた手にギュッと力が入る。 「大丈夫。近い内にノアも完成するらしいし、瑞希の事は俺が守るから!」 「独りにしないでね?私が寂しいの大嫌いなの知ってるでしょ? だから、すぐに飛んできて!」 「当たり前だろ? それに、独りになんかならないよ。お父さんもお母さんも、何なら俺のオヤジとお袋も居るだろ。」 「ヤダ…、雄ちゃんじゃなきゃやだもん…。」 「らしくないぞ。瑞希は強いから大丈夫。いつもみたいに明るく、強気でいてくれよ。俺の好きな瑞希に♪」 「そんな事言われたら何も言えないでしょ!もう! ってか強いって何よ。未だに私の事わかってないンじゃない? 愛がないのねぇ~。」 私は強がってみたものの、悔しいから肩に軽く噛みついた。  
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