ムムム…

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 首輪には鈴が付いていて、慣れていない首輪を取ろうとケンシンが後ろ脚でもがく度に『チリ~ン』て音がする。 『トラキチ』  良く見れば水色の部分にかなり下手な字でそう書いてある。  どうしてケンシンが首輪をしているのかさっぱり分からない。  しかも『トラキチ』と書いてある首輪だなんて、ますます意味不明。  嫌がるケンシンを抱きかかえ、母のいるリビングに慌てて向かった。 「お母さん、ケンシンが・・・」 「どうしたの?」 「見てよ。これ」  ケンシンの少しモシャモシャした毛の間から首輪を見せた。
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