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『見てて御覧なさい』
魔法使いは杖を振り上げた。
目の前に、さっきはなかった林檎。
『これで信じてくれるかしら?』
ふふっと笑いながら魔法使いは、繭に林檎を渡した。
「…信じてない訳じゃない……けど、」
魔法使いは、にこやかに繭を見ている。
『けど?』
「わたしの願いなんかどうにもならないんだよっ!」
魔法使いに林檎を突っ返して、その場から駆け出した。
―何魔法使いにキレてるんだ、わたし…
また、涙が溢れてきた。
『あなたに魔法をかけてあげるわ…』
「え?」
魔法使いは傍にいないはずなのに声がする。
『明日、一日だけよ?』
「どうゆうこと…?」
繭は辺りを見回す…しかし魔法使いは見当たらない。
『明日になればわかるわ…ふふっ』
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