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「なんだ君は?」
やっと私をギブアップに追い込んだ所で待ったをかけられたか、いや、それ以上に急に現れた第三者の手によって自分の使い魔が粉砕された事が相当立腹だったようで、シドは火樽に向かって鋭い視線を向けた。
すると火樽は私から視線を外しシドを真っ直ぐ見据えた。
そして一呼吸置くと、言い放った。
「俺は、「アルの使い魔」だぁぁぁ!!」
まるで天にまで届きそうなその叫びに近い声は、しばらく辺り一帯に木霊し、私の涙腺は再び崩壊する事になった。
そう。彼――皆川火樽は「私の」使い魔なのだ。
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