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――――
ジジジジジッ
いったい俺の体はどうなってしまったのだろう……
気付いたら黄色く輝く光を纏ってしまっていた自らの拳と脚、そして自分が粉砕したゴーレム(火樽命名)を見て溜め息をついた。
「火樽……なっ何故来たのだ!?わっ私は別にお前が来なくても……」
自分の状態に理解の追い付いていない俺を更に考えさせるつもりなのか、横からギャーギャー騒ぐアル。
さっきまでは人の顔見て泣きそうだったくせに。
嬉しいならそう言えよ。
本当に可愛く無い奴。
「だいたい火樽はさっき来ないと――」
いい加減面倒になった俺は、人差し指でアルを黙らせる。
アルは一瞬怪訝そうに顔をしかめたが、渋々俺の次の言葉を待った。
「あんなに悔しそうな顔でギブアップって言おうとしてたらさ、俺が何とかしなきゃって思っちゃうだろ??」
俺の言葉を始めは理解出来なかったのかポカンとした表情で聞いていたアルだったが、しばらくするとそのドングリのような大きな瞳にはウルウルと涙が溜まっていった。
「火樽ぅ……」
いつの間にか俺の袖をギュッと握り締め、今にも零れ落ちそうな涙を何とかこらえながら上目使いでこっちを見つめ……って――
「萌えぇぇぇッ!!」
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