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『マリちゃん。またね~』
チャイムが鳴ると同時に、慌ただしくなる教室。
まだ荷物を詰めている僕とは裏腹に、大半の生徒は姿を消した。
『マリ。まだやってんのか?』
『…』
『マ~リ!』
僕の前の机に座りながら、真っ黒に日焼けしたガタイのいい男が声をかけてきた。
『僕の名前はバンリ!万里って書いてバンリって読むの!』
精一杯睨み付けても、目の前の男は
『クククッ』
と笑いながら僕の頭に大きな手を乗せた。
『知ってるよ』
『雷矢までマリって呼ばないでよ!』
『今日は、やけに機嫌が悪いな?!生理か?』
『…もういいよ!』
机を両手で叩き、小走りになりながら教室を出た。
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