第一話 『車上の猫』

15/15
38人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「...居ないっ!」 いくら捜しても猫はどこにも居ない。 「あれだけ車から離れなかったのに...」 偶然かもしれない。 だが,あの時間あの場所に猫が居てくれたおかげで助かったのは事実。 それから莉奈は, 「ありがとう」 毎朝御礼を言いながら,車の側に猫まんまを置く。 あれから一度も姿を見る事はないが, 「あ~っ!今日も来てくれたんだ♪」 夕方帰宅すると猫まんまは必ず無くなっている。 今は見えない車上の猫。 だが,莉奈の目には今でも車の上で寝転がる猫の姿が焼き付いている。 ただ... 出会った時と違うのは,その猫は微笑んでいて... 猫アレルギーは相変わらずだが... 「いつか絶対抱きしめてやるからね♪」 猫が大好きに...
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!