第一部・出会い

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オッドはニカッと笑う。 オッド:「ほれ、お前も食べてみな!…取れたてが旨いんだ!…あ、食ったのは内緒な。…クロスが煩いんだ。前にさ、枝を取って来ないで木の実に夢中になってたところを見つかっちまってよ」 閖雅は辺りを見回してから食べる。 すると、オッドが言ってたように、みずみずしくて美味しかった。 味は梨に似ていた。 木の実を食べた後はオッドから枝のレクチャーを受けながら真面目に探した。 一本、ちょうど良いのが見つけるたびにオッドに確認するが、ほとんどが合わないものだった。 閖雅:「(案外、枝集めって難しいんだね)」 閖雅は心が折れることなく、枝集めを楽しんだ。オッドが木の実や果物を探すことを得意としていたが、閖雅も何か手伝いたかったので、キノコ類を探すことにした。 この世界では何が食べられるのか分からなかったので、見つけるたびにオッドに確認していた。 その後、持って帰ったキノコの大半が"絶対に食べたらいけない"ものだったのは言うまでもない。 もちろん、それはオッドが食べていたものだったので、彼が火炎虎の血を引く火属性ということもあり、毒に強い強靭な胃袋の持ち主だと言うことが明らかになった。 閖雅はその中で一種類だけ、珍しくて美味しいものがあったので、枝集め以外ではそれを探そうと心に決めた。 自給自足をする生活が当たり前のようになった頃、閖雅はオッドから離れて枝集めを行っていた。 そんなある日、お昼頃になると一隻の船舶がジャンモの森がある中央の島にやってきた。 昼食を終え、一休みをしている時の出来事だった。 閖雅は警戒し、近くにいたメンディーの背中に隠れる。 警戒しているのは閖雅だけだったようで、その船舶を見てフォーカスが着岸の邪魔にならないように移動していた。 閖雅はこっそりとメンディーの服の裾を引っ張る。 閖雅:「…ねぇ、あの船って…皆の知り合いなの?」 メンディー:「…あん?…あー、お前は知らないんだったな。実はよ、この島で自給自足しているだけじゃないんだよ。…ほら、見てみな」 メンディーは顎で、船舶を指す。 船体から人がバシャバシャと少人数で海に降りて来る。 クロスと人型のハクが対応するのが普通なのか、待ち構えていた。二人の後ろには人型のアースが控えていた。 オッドは基本的にこの件に対しては戦力外と理解していたのか、退屈そうに近くの木に背もたれて眺めていた。
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