第一部・出会い

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ハク:「一一なっ、駄目だ。駄目に決まっている。…私がいるからといって、ユリマサが狙われないわけではない。相手の召喚獣がお前を狙ったなら、護衛する船舶の安全が…」 クロス:「船舶を沈められちゃ困るからね、ユー君はお留守番だよ。ハクなら、問題はないよ。俺とフォーカスが援護要員で応援に行くからね」 クロスの言葉に閖雅は落ち込む。 閖雅の周りをオッドとアースとメンディーが囲む。 アース:「ユリマサのお守りはうちらに任せて、行ってらっしゃい!」 アースはそう言って、閖雅の腕に腕を絡めて、頬を撫でていた。それを見たハクのこめかみに小さな青筋が立っているのをフォーカスは見ていた。 フォーカス:「(……何事もなければ良いんですけど)」 ハクびいきのフォーカスは嫌な予感がする。 船舶が出航し、体力を温存するためにハクはフォーカスの背に乗っている。 クロスは閖雅とオッド達に手を振っている。 閖雅も笑顔を浮かべてハクとクロスを見送った。 一一浜辺 閖雅はハク達が見えなくなると浜辺に座り込んで膝を抱えて落ち込む。 それを見たアースは兎の姿に戻るとキラキラした眼差しを閖雅に向ける。 閖雅はそんなアースを優しく撫でるとぽつりと呟く。 閖雅:「…僕ってば、頼りがないのかな」 その様子を見たオッドはそわそわとした様子で彼の後ろを歩き回る。 メンディーは閖雅の隣に座る。 メンディー:「お前の目は節穴か。…頼りがないなら、ハクはあんなに怒らない。連れていけばきっと、力になってくれると分かるから、敵に標的にされやすいのを見越して、留まらせたんだ」 メンディーの言葉に閖雅はときめく。 メンディーは自分の言葉に照れたのか、人差し指で顎を掻いた。 閖雅:「…そうだね。ありがとう、メンディー」 気持ちを持ち直した閖雅を見たオッドとアースはとても悔しそうにメンディーを見る。 二人は落ち込む閖雅を勇気づけて、微笑む笑顔を一身に受けたかった。 閖雅はハクとクロスが消えた方角を見る。メンディーは視線が海に向いたのを見て、悔しがるオッドとアースにニンマリと笑う。
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