第一部・出会い

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そしてメンディーは後ろに倒れて、仰向けになって空を見つめる。 メンディー:「俺な、お前に救われて…新しい生活を始めて気づいたことがある。…"仲間を信じて待つのも大切だ"って。…そう思ってたら、お前が戻ってきた」 閖雅:「…うん、そうだね。…早く、戻ってきてくれないかなぁ」 閖雅の思いを背に、ハク達は問題の海域まで来ていた。 ハク:「…そろそろだな」 フォーカスの背に乗ってクロスと共にハクは上空から船舶を警護していた。そろそろ、問題の海賊が現れる海域に入るのを前に、彼はフォーカスから警護する船へと降り立っていた。 甲板に立ち、辺りを見回していた船長がハクに声を掛ける。 船長:「ん…どうしたんだ?…もしかして、海賊の船が近くにいるのか?」 依頼人達は空からフワリと降りてきたハクを見て目を丸くする。持ち場を離れて、ハクを遠目から眺めている。 その様子に船長は呆れていた。ハクは構わずに言葉を繋ぐ。 ハク:「いや…そろそろ問題の海域だからな。…私のことは気にするな、先を急げ」 船長は船員に持ち場に戻って作業を続けるように顎をしゃくる。 船長:「…だとよ。サボってないで持ち場に戻れ。海賊が現れる前に積み荷に傷を付けるなよ!付けやがったら、お前らの報酬から差し引きだからな!」 船長の言葉に船員達はきびきびと動き出した。 船長:「…すまねぇな」 船長は船員の眼差しをハクに詫びる。 ハク:「…気にするな。好奇な眼差しは慣れている。私としては早く姿を現してほしいものだ。…さっさと海賊を打ち取らなければ、戯れる時間が…ゴホン」 ハクは最後の言葉を濁すように咳払いをする。 それから彼は船首に立つと、周囲を見回す。 ハクは遠くに見える水の島を見つめる。 そこは元々、ハクが加護する島だった。 那波が持っていたトランプと契約を結ぶ前は、水の島を少しだけ離れていても、守り神としての加護は常に発動していた。 その契約の間に水の島から離れすぎたせいもあってか、実弟が聖域に迷い込み、半ば強引に守り神を受け継いでしまった。
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