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アース:「うちらってば、依頼者からお金は貰わないのよね。船舶なんかの警護で、襲ってくる海賊や海賊もどき、野党とかが持ってる金品を換金しながら生活しているのよ」
閖雅:「なんだか、海賊みたいな生活だね」
閖雅は苦笑する。
メンディー:「ま、要するにオレらは海賊の追い剥ぎだな」
クロスは換金されていないお宝が詰まった袋をオッドに見せる。
その中には海賊が襲って奪った身に付けていたアクセサリーや金貨が主に入っていた。
クロス:「…実はまだ、換金していないんだよね」
クロスはそう言って、ハクを見る。
彼はオッドに耳打ちをする。
クロス:「本当はな、風の島で海賊を引き渡した後に換金する時間はあったんだよ。でもね、誰かさんがユー君に会いたいって機嫌が悪くてね…」
オッド:「ははぁーん…そりゃ仕方ねぇな!…俺でもそうする」
胸を張るオッドにクロスは頭を抱える。
フォーカスは閖雅達の話を聞きながら、嘴(クチバシ)で羽根の手入れをしていた。
閖雅は彼の傍に行くと、ふわふわの羽毛に触れて目尻が下がっていた。ハクはその様子を見て、ジェラシーを抱く。
その様子をハクを敬愛するフォーカスが見逃すはずがない。
羽根の手入れを終えると、閖雅に囁く。
フォーカス:「ユリマサ殿、ハク様、スゴかったですよ。いつもより、海賊を激しく襲ってました」
閖雅はハクを見る。
閖雅:「そうなの?」
フォーカスの言葉を聞いたクロスは口を開く。
クロス:「よっぽど、早く帰りたかったんだよ。ユー君をアースやメンディーに取られているからね」
閖雅はハクと視線が合う。
ハクはサッと視線を彼から外して、明後日の方角を向いた。
閖雅は知っていた。視線を逸らすのは恥ずかしさを誤魔化すのと、クロスが言っていることが正しいということに。
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