第一部・出会い

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アース:「うちらってば、依頼者からお金は貰わないのよね。船舶なんかの警護で、襲ってくる海賊や海賊もどき、野党とかが持ってる金品を換金しながら生活しているのよ」 閖雅:「なんだか、海賊みたいな生活だね」 閖雅は苦笑する。 メンディー:「ま、要するにオレらは海賊の追い剥ぎだな」 クロスは換金されていないお宝が詰まった袋をオッドに見せる。 その中には海賊が襲って奪った身に付けていたアクセサリーや金貨が主に入っていた。 クロス:「…実はまだ、換金していないんだよね」 クロスはそう言って、ハクを見る。 彼はオッドに耳打ちをする。 クロス:「本当はな、風の島で海賊を引き渡した後に換金する時間はあったんだよ。でもね、誰かさんがユー君に会いたいって機嫌が悪くてね…」 オッド:「ははぁーん…そりゃ仕方ねぇな!…俺でもそうする」 胸を張るオッドにクロスは頭を抱える。 フォーカスは閖雅達の話を聞きながら、嘴(クチバシ)で羽根の手入れをしていた。 閖雅は彼の傍に行くと、ふわふわの羽毛に触れて目尻が下がっていた。ハクはその様子を見て、ジェラシーを抱く。 その様子をハクを敬愛するフォーカスが見逃すはずがない。 羽根の手入れを終えると、閖雅に囁く。 フォーカス:「ユリマサ殿、ハク様、スゴかったですよ。いつもより、海賊を激しく襲ってました」 閖雅はハクを見る。 閖雅:「そうなの?」 フォーカスの言葉を聞いたクロスは口を開く。 クロス:「よっぽど、早く帰りたかったんだよ。ユー君をアースやメンディーに取られているからね」 閖雅はハクと視線が合う。 ハクはサッと視線を彼から外して、明後日の方角を向いた。 閖雅は知っていた。視線を逸らすのは恥ずかしさを誤魔化すのと、クロスが言っていることが正しいということに。
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