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きみの馨りすらのがさないように戸もまども締めきったへや。ふたり過ごした思い出なんかに浸ってきみをひざにのせてだきしめる。甘えるように頬を柔らかいきみの髪に擦りつけると、やっぱりきみはあのころとかわらないちょっと困った顔でわらうんだ。
だからおれもあのころからずっとかわらない想いを伝えるんだ。
【さようならが言えない】
(分ってるんだ。これはまぼろし。もうきみはいないってこと。それでもぼくは、その残り香ですら離したくないんだということも。)
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