☆二日目~朝~☆

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「まだ魔法は使えないの?」   「うん。魔法は使えないんだ」    魔法使いの弟子なのに恥ずかしいけど、ボクは魔法は使えない。    知っているのは魔法の効果を持つ薬の調合だけ。まだまだ修行をつまないといけないんだ。   「そっか。師匠が帰ってくるまでは夏休みでしょ?  ミンクはその間は修行もお預けなの?」   「あ、それなんだけど・・・」    ボクはラナに夏休み中の宿題について話した。    するとラナは、   「すてきじゃない」    と、目をキラキラさせて言った。   「使い魔がいるなんて、本当に魔法使いみたいだわ」   「そうなんだけど、まだ使い魔にする動物がいないんだ。自分で捕まえないといけないから」   「どんな動物が使い魔になれるの?」    ボクはラナに使い魔の条件について説明した。    本を詳しく読んだわけじゃないけど、かんたんに連れて歩けて、黒っぽくて魔法使いっぽければいい。    そんな感じだと思う。   「な~んだ。それなら先月か先々月だったか、隣のリゲルおじさんのペットが子供を産んだらしいわよ。  引き取り手を捜しているらしいから、一匹もらえば?  確か親も黒毛だったから、条件には合うはずよ」    ラナの言葉に、ボクは大きくうなずいた。    そして薬の入っていた背負い袋をひっつかむと、ボクはそのまま外に飛び出した。    勢いよくリゲルおじさんの家の戸を叩く。    何事かと出てきたリゲルおじさんに向かって、僕は言った。   「おじさんのとこで生まれた子を一匹、一番黒い子を引き取らせてください!」
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