第1章

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撃たれたという事実を把握するにしたがって顔から血の気が引いていく。 いったいなんなんだこの子は? いきなり引き出しから現れるなり本物の拳銃で発砲。 夢……にしては非現実的すぎて、それゆえにリアルすぎる。とうてい信じられるものではない。信じざるをえない。 背中はこれでもかというほど壁と密着し、足はすぐにでも折れてしまいそうなくらい震えている。 あ、これ死んだな。僕のどこか冷めた部分がそう言ったのを聞いた気がする。 殺気を放ち、拳銃を構えたまま少女が一歩近寄り、その端正な作りの口を開けた。 「もしや、あなたは……桜木志郎(さくらぎしろう)……でありますか?」 むろん恐怖で声はでない。僕は千切れんばかりに首を縦に振る。 すると、少女からの殺気が嘘のように消え去った。それどころか白煙漂う拳銃を腰のホルスターになおしたではないか。 これはどういうことなんだ? というか助かったのか、僕は? 助かったと思うなり足から力が抜けた。ペタンとへたり込む。あぁ、腰が抜けてしまったみたい。
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