第2章

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「天山改。自分は天山改であります」 部屋の真ん中にちょこんと正座する少女は、名前を訊いたらそう答えた。リュックと拳銃は僕の精神安定上、部屋の隅に置いてもらっている。くわばらくわばら。 それはそうと、そのテンザンカイと名乗る少女は引き出しからいきなり現れて、おまけに拳銃をぶっ放してから、自分は護衛だと言ったのだ。 待て待て。護衛じゃなくてそれはむしろヒットマンだぞ。 「申し訳ないであります。なにせここへ来るまでに敵の追撃があったものでありますから」 「あーはいはい。とりあえず警察に行こうね」 「なぜゆえっ!?」 テンザンカイは……長いのでテンに省略する。僕の言葉にテンは驚きを隠せないみたいだ。あのなぁ、 「ほら見てみろ、この壁。穴が空いたじゃないか。器物損害だよ。立派な犯罪だよ」 「う゛っ……で、でも、これは志郎殿をお守りするために仕方がなかったのであります! 必要犠牲であります!」
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