第2章

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はぅぅぅ……。 僕は大きなため息をついた。まさかこんなに可哀想な人だっただなんて。僕にはこの子を救うだけの力がないというのか……。 「な、なんでありますかそのイタい子を見るような目は!?」 「はいはい、もう何も言うな。警察と評判の病院を薦めてあげるよ」 僕の親切かつ善意と真心の塊である提案を、テンはちょっぴり泣きそうな顔で否定する。 「頭はおかしくなんてないでありますっ! メモリーチップは最新式でありますっ! 隊長、現地の護衛対象に自分はいぢめられてるであります!」 すみません。メモリーチップ云々でもうついていけません。 脂汗を流しているのにも気づかないのか、テンは電波気味なことを次々と言ってくる。志穂よ、僕の部屋には絶対来ないでくれよ。頼むから。 「あのぅ、もしかして信じてもらってなかったりするでありますか?」 「うん、全然信じてないよ」 ガーンという擬音語が聞こえてきそうだ。 テンはがっくりと肩を落とし、右手の人差し指で『の』を大量生産している。これじゃあまるで僕が悪いみたいじゃないか。 「じゃあ、せめて僕の質問に答えて。返答しだいで信じてあげるから」
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