第2章

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テンは表情をぱあっと輝かせて、 「本当でありますかっ!」 「あ、あ……うん」 感涙せんばかりの勢いである。チクリと胸が痛む。 「えーっと、キミはどこから来たの?」 「未来の世界からであります」 ほら来た。また意味不明な答えが。 しかし、テンは当たり前だと真面目な顔をして言い切った。妙に説得力があるけど、信じられないのには変わらない。まさか未来の世界と来るとは……。 「2つめの質問ね。誰から頼まれたの?」 「言えないであります」 テンは僅かに目線をそらした。とても怪しい。 「3つめの質問。なんで僕がそのぉ……狙われなきゃならないの?」 「言えないであります」 このアマ……。 僕は小刻みに深呼吸をすると、4つめの質問を口にする。 「4つめ。キミはいったいなんなの? 拳銃とか持ってるのはなんで?」 「それは自分が桜木殿の護衛だからであります……信じてくれましたか?」 上目づかいをし、テンは不安そうに僕を見る。僕はそんなテンに向かってにっこりと微笑み──
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