第2章

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「信じられるかっ!」 「ひぃっ!」 おののくテン。つめよる僕。 「だって質問したけどさぁ、4つしたけど半分が言えないって……それだけで十分信頼性がないと思うんですけど僕は」 「す、すいませんであります」 テンは申し訳なさそうに縮こまる。 見ていてやや胸が痛むが、こればっかりはテンのせいなので仕方がない。仕方がないんだ。他人を信頼させるには、まずそれなりの行動を起こさないと。テンはそれができてないんだ。 「信じるかはとりあえず保留ってことで、テンザンカイって名前だっけ?」 「あ、正式には……」 「でもテンザンカイなんだろ?」 「あ、はい」 「なら今のところはテンって呼ぶから」 「テン……ですか」 テンは眉にシワをよせる。 え、なに? もしかして気に入らなかった? まぁそりゃ単純すぎるあだ名だけどね。 テンはふるふると首を横に振り、 「いいえ。構わないであります。実のところ、天山改という名前はどうも女らしくないと思ってましたのであります」
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